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❖サッカーのルール

【Q&A】⑤オフサイド~「意図的なプレー」ってどういう意味(いみ)?

◆ 「プレーにかかわる」ってどういう意味(いみ)?

■ 味方(みかた)がパスを出した瞬間(しゅんかん)に、オフサイドポジションにいたとしても、そのオフェンスが「プレーにかかわらければ」オフサイドの反則(はんそく)にはなりません。
■ ディフェンスがコントロールしようとして一度さわったボールに、オフサイドポジションにいたオフェンスがさわった。 ⇒ ❌オフサイドではない。

❖ ディフェンスがボールにさわった場合(ばあい)


■ クリアミスした時のように、ディフェンスが一度(いちど)ボールをコントロールしようとしてさわった後(あと)に、オフサイドポジションにいたオフェンスがボールにさわっても、オフサイドにはなりません。
■ 一旦(いったん)ボールをコントロールしようとしてボールにさわった時点(じてん)で、オフェンス側(がわ)の攻撃(こうげき)は、もう途切(とぎ)れてるからだと思(おも)います。

◆ ディフェンスがボールにギリギリさわった時

■ しかし、ディフェンスがボールにさわろうとはしたけど、キック(トラップ・ヘディング)するのが、とても難(むずか)しいボールに、ギリギリさわった後、オフサイドポジションにいたオフェンスがボールをうばったとしたら、どうでしょうか?

・ルールブック(競技規則)では、ディフェンスが意図的(いとてき)にボールにさわったら、その後、オフェンスがボールにさわっても、オフサイドではない、としています。

サッカー競技規則 第11条第2項(オフサイド)

2 オフサイドの反則
①ボールが味方競技者によってプレーされたか触れられた瞬間に ②オフサイドポジションにいる競技者は、 ③次のいずれかによってそのときのプレーにかかわっている場合にのみ罰せられる。
・ボールが、ゴールポスト、クロスバー審判員もしくは相手競技者からはね返った、またはそれらに当たって方向が変わってきた。
・相手競技者によって意図的にセーブされた
オフサイドポジションにいる競技者は、相手競技者が意図的にプレーしたボールを受けたとき、意図的なハンドの反則を犯した場合も含め、利益を得ているとはみなされない。
ただし、意図的なセーブからのボールを除く。
「セーブ」とは、ゴールに入りそうな、またはゴールに近づいたボールを競技者が手や腕(自分のペナルティーエリア内でゴールキーパーが触れた場合を除く)以外の体のいずれかの部分を用いて止める、または止めようとすることである。

■ ルールブックの表現(ひょうげん)では、

相手競技者が意図的にプレーしたボールを受けたとき・・・利益を得ているとはみなされない。
ただし、意図的なセーブからのボールを除く。

■ ルールブック(競技規則)の言葉どおりにとると、どんなに難しいボールであっても、ディフェンスが自分から(わざと)ボールにさわりに行ってる以上、オフサイドにはなりません。
■ しかし、

・上手いディフェンスが(キックするのが)むずかしいボールにさわれた場合 ⇒ ❌オフサイドではない。 ⇒ ピンチになる
・下手なディフェンスが(キックするのが)むずかしいボールにさわれなかった場合 ⇒ ⭕オフサイドになる。 ⇒ ピンチではない

というのは、どう考えてもおかしい。
■ そこで、上の動画のように、キック(トラップ・ヘディング)するのが、むずかしいボールにディフェンスがさわった場合、
⇒ ❌意図的なプレーではない(⭕オフサイドになる)とされました。
ルールブック(競技規則)自体は変わらず、2022年8月31日ガイドラインの明確化(めいかくか)という形で、上の動画のような場合は、オフサイドになるとされました。
→ 競技規則 第11条第2項で明文化されました。

「意図的なプレー」と「ディフレクション」との違いに関するガイドラインの明確化について

日サ協発第 220134 号
2022 年 8 月31日
関係各位
公益財団法人日本サッカー協会
国際サッカー評議会(以下、IFAB)から 2022 年 7 月 27 日付回状第 26 号をもって、オフサイドの判定に関わる「意図的なプレー」と「ディフレクション」との違いに関するガイドラインの明確化ついて通達されました。
今回の通達は、オフサイドに関わる守備側競技者のプレーが「意図的なプレー」であったか否かという注目される状況が世界的に見受けられたため、IFAB が FIFA と協議の上、判断基準を示すことで明確化したものです。
したがって、適用日が示される改正とは違って即時有効となります。
しかしながら、競技およびプレーの結果に影響を及ぼす内容でもあることから、競技者、監督/コーチそして審判員、そして競技に関わる人々が理解した上で運用されることが必要となります。
下記について、各協会、連盟等において、加盟クラブ、チーム、審判員等関係者に周知された上で、プレー、指導、そしてレフェリングに携わっていただきたく、お願い申し上げます。
なお、本協会のホームページに掲載される今回の明確化についての説明用映像も合わせて確認していただくよう、併せてお願い申し上げます。

「意図的なプレー」と「ディフレクション」との違いに関するガイドラインの明確化について
これまでにオフサイドに関して注目を浴びた状況が多くあったこと、また、守備側競技者が動いてボールを触れたすべてのケースにおいて、オフサイドポジションにいた競技者が「オンサイド(オフサイドで罰せられない)」となるわけではないという考えがあることから、IFAB と FIFA は、サッカー関係のステークホルダーと協議し、“意図的なプレー”と“ディフレクション(ボールが競技者に当たり方向が変わる)”の違いについてのガイドラインを明確にした。
第 11 条の関係条項は、次のように規定している
2. オフサイドの反則
ボールが味方競技者によってプレーされたか触れられた瞬間にオフサイドポジションにいる競技者は、次のいずれかによってそのときのプレーにかかわっている場合にのみ罰せられる。
:
:
• その位置にいることによって、次の場合に、ボールをプレーして利益を得る、または相手競技者を妨害する。
・ ボールが、ゴールポスト、クロスバー、審判員もしくは相手競技者からはね返った、またはそれらに当たって方向が変わってきた。
:
:
オフサイドポジションにいる競技者は、相手競技者が意図的にプレーしたボールを受けたとき、意図的なハンドの反則を犯した場合も含め、利益を得ているとはみなされない。ただし、意図的なセーブからのボールを除く。
あえて第11条を改正する必要はないが、サッカーが求めることを反映するため、「意図的なプレー」と「ディフレクション」の違いについてのガイドラインを下記のとおり明確化した。
「意図的なプレー」とは、競技者がボールをコントロール下において、次のプレーができることである。
• ボールを味方競技者にパスする、 または、
• ボールを保持する、または、
• ボールをクリアする(例えば、ボールをけって、またはヘディングして)
これは、競技者がコントロール下にあるボールをパスする、保持しようと試みる、または、クリアすることがうまくいかなかったり、失敗したりした場合であっても、ボールを「意図的にプレーした」という事実を無効にするものではない。
競技者がボールをコントロール下に置いていたことで、結果的に「意図的にプレーした」ことを示す指標として次の基準が適切に使われるべきである。
・ボールが長く移動したので、競技者はボールをはっきりと見えた
・ボールが速く動いていなかった
・ボールが動いた方向が予想外ではなかった
・競技者が体の動きを整える時間があった、つまり、反射的に体を伸ばしたりジャンプせざるを得なかったということでもなく、または、かろうじてボールに触れたりコントロールできたということではなかった
・グランド上を動いているボールは、空中にあるボールに比べてプレーすることが容易である
競技規則を改正しないが、「意図的なプレー」のガイドラインを明確にしたので、審判員またサッカーのステークホルダーの方々にご説明されるようお願いしたい。
「意図的なプレー」と「ディフレクション(「意図的なプレー」ではない)」に関するビデオ映像は、次の URL にある。
https://red.fifa.com/play/collection/13010/Law11-Offside:deliberateplayanddeflection?cId=16&itemId=12995
ご理解いただき感謝するとともに、疑義ついては、ご遠慮なく連絡いただきたい。
以上
国際サッカー評議会
事務局長 ルーカス・ブラッド

※ 「ディフレクション(deflection)」というのは、「ゆがみ、それる、かたより」という意味になります。
「意図的(わざと)ではなく、ボールに当たって方向が「それた」だけというイメージですね。

競技規則第11条 第2項

*「意図的なプレー(意図的なハンドを除く)」とは、競技者がボールをコントロール下において、次のプレーができることである。
・ ボールを味方競技者にパスする、
・ ボールを保持する、または、
・ ボールをクリアする(例えば、ボールをけって、またはヘディングして)。
これは、競技者がコントロールできる状況にあるボールをパスする、保持しようと試みる、または、クリアすることがうまくいかなかったり、失敗したりした場合であっても、ボールを「意図的にプレーした」という事実を無効にするものではない
競技者がコントロールできる状況にあるボールを、結果的に、「意図的にプレーした」とみなす指標として、必要に応じて、次の基準が使われるべきである。
 ・ ボールが長く移動したので、競技者はボールをはっきりと見えた。
 ・ ボールが速く動いていなかった。
 ・ ボールが動いた方向が予想外ではなかった。
 ・ 競技者が体の動きを整える時間があった、つまり、反射的に体を伸ばしたりジャンプせざるを得なかったということでもなく、または、かろうじてボールに触れたりコントロールできたということではなかった。
 ・ グラウンド上を動いているボールは、空中にあるボールに比べてプレーすることが容易である。

◆ 「意図的なプレー」の基準(きじゅん)

■「キック(トラップ・ヘディング)するのが、むずかしいボール」だったどうかをジャッジするのに、ガイドラインでは、

• ボールが長く移動したので、競技者はボールをはっきりと見えた
• ボールが速く動いていなかった
• ボールが動いた方向が予想外ではなかった
• 競技者が体の動きを整える時間があった、つまり、反射的に体を伸ばしたりジャンプせざるを得なかったということでもなく、または、かろうじてボールに触れたりコントロールできたということではなかった
• グランド上を動いているボールは、空中にあるボールに比べてプレーすることが容易である

ということを基準(きじゅん)にジャッジしましょう、と言っています。

◆ 動画であてはめ

⭕意図的なプレーになる(ケース1)

⇑ この動画のケースは、先ほどの基準(きじゅん)にあてはめると、こうなるでしょう。

⭕意図的なプレーである → 6コ
❌意図的なプレーでない → 2コ

⭕意図的なプレーになる(ケース2)

⭕意図的なプレーである → 7コ
❌意図的なプレーでない → 1コ

※注意
・ディフェンスのプレーが、実際(じっさい)に成功(せいこう)したか、ミスしたかは関係(かんけい)ありません。
・キック(トラップ・ヘディング)しようとしたボールが、難(むずか)しかったかどうかが基準(きじゅん)です。

これは、競技者がコントロール下にあるボールをパスする、保持しようと試みる、または、クリアすることがうまくいかなかったり、失敗したりした場合であっても、ボールを「意図的にプレーした」という事実を無効にするものではない

❌意図的なプレーにならない(ケース3)

⭕意図的なプレーである → 1コ
❌意図的なプレーでない → 7コ

❌意図的なプレーにならない(ケース4)

⭕意図的なプレーである → 2コ
❌意図的なプレーでない → 6コ

明確化(めいかくか)できてるか?

■ たしかに、むずかしいボールに対して、精一杯(せいいっぱい)プレーしたディフェンスに不利(ふり)にならないように「意図的(いとてき)なプレー」の範囲(はんい)を、ガイドラインで狭(せま)くしようとしているのは、よく分(わ)かります。
プレーする選手(せんしゅ)、特(とく)にディフェンスにとっては、ありがたい事です。
■ しかし、
・基準(きじゅん)のチェックポイントが多すぎて、瞬間的(しゅんかんてき)にジャッジできるのか?
・あてはめ方も審判(しんぱん)によってバラバラになりそう。
という心配(しんぱい)は、かなりあります。
■ また、ルールブック(競技規則)自体を改正(かいせい)しないことにより、「意図的な(わざと)プレー」という言葉(ことば)と、ジャッジの基準(きじゅん)が、ドンドンかけ離(はな)れていって、普通(ふつう)の人が自然(しぜん)に考えると意味(いみ)が分かりません。
■ そもそも「意図的(わざと)」と「ボールをコントロールするのがむずかしいか?」は、本当はまったく関係(かんけい)ないからです。
■ このように、言葉の解釈(かいしゃく)をマニアックにゆがめていくと、ルールも浸透(しんとう)しにくく、(正しい)ジャッジに対するクレームも増(ふ)えていくかもしれません。
■ オフサイドのルールは、複雑(ふくざつ)になっていく一方ですが、コロコロ変わらず、できるだけ早く安定(あんてい)してくれるといいですね。

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